4日、「空の境界 〜第五章 矛盾螺旋〜」を見てきました。
どうやら第四章までで相当好評らしく、俺が第三章を見た時より公開劇場が増えてます。
今回は18時台の上映を行なっているテアトルタイムズスクエアを選びました。
(ちょっとスピーカーが残念な感じなので、今から見る方は避けた方がいいかも)
「空の境界」とは。
「空の境界」はシナリオライター:奈須きのこ原作のライトノベル。
元々は彼のホームページ「竹箒」で連載されていて、
好評を博したことから同人誌として、さらに現在では講談社から文庫出版されています。
物語を俺的にまとめると、こんな感じ。
ヒロインの両儀式(りょうぎ しき)は、地元の名家である両儀家の長女。彼女は生まれた時から織(シキ)という男性の別人格を持っており、ずっと2人で育ってきた。
周囲と相容れない性格であった式だったが、高校に入った時に黒桐幹也(こくとう みきや/準主人公)というクラスメイトと出会い、やがて彼との距離を縮めていく。しかし、2人は街で起こる連続殺人事件に巻き込まれ、混乱の中、式は交通事故に遭い、意識不明の重体で病院に担ぎ込まれる。
2年後、昏睡状態のままだった式は目を覚ます。彼女はモノの“死”が視えてしまう「直死の魔眼」を手に入れたが、もう1つの人格である織の存在は感じられず、彼女自身も自分が両儀式だという実感がまるで持てなかった。
そのころ、幹也は大学を中退し、魔術師:蒼崎橙子(あおざき とうこ)のデザイン事務所「伽藍の洞」で働いていた。幹也の話から式に興味を持った橙子は、入院中の彼女に接触し、魔術師としての仕事を手伝わせるという条件で、彼女にその眼の使い方を教えることにする。
だが、両儀式に目を付けていたのは、蒼崎橙子だけではなかった。両儀式が目覚めてから、街ではいくつもの怪事件が起こり始める。
事件に関わることとなる式は、その犯人たちとの戦いを通して、生の実感を得ようとする。彼女が求めるそれは、“殺し合い”という非日常に身を置くことで、本当に得られるのか。そして、日常に生きる幹也は、そんな彼女を日常へ取り戻すことができるのか。
こう書くと、よくあるオタクチックなライトノベル臭がプンプンしますが、
実態は幹也主人公の典型的ボーイミーツガール小説です。
俺の中では、あのカッコいい戦闘でさえ演出の1つ程度にしか思えません。
……ぇ? なんでか?
ばかやろう、幹也が男としてカッコよすぎるんだよっ!!!!
映画「空の境界」。
以前のブログでも書きましたが、「第三章 痛覚残留」を見に行き、
その画のキレイさと、予想を超える演出のカッコよさにビビりました。
この「痛覚残留」は、元より非常にエンターテイメント性が高く、
ストーリー、キャラクター、戦闘描写…どれをとってもハイレベルです。
それを活かしきる声優陣の演技力、BGM・SEのセンス、
そしてなにより画の描写力というか表現力がハンパなかった。
対して今回の「第五章 矛盾螺旋」は、正直、大衆向けではありません。
このお話は、物語の中で数々の事件が起こる理由、
そしてその黒幕の正体と目的が暴かれる部分で、長く、暗く、難解で、グロいですwww
(てか正直、原作読まないと何が起こってるかわかんないと思う)
なので、実は楽しみ半分、どう描くのか不安半分だったりしました。
観客さえ巻き込む「矛盾螺旋」な演出。
で、まぁ、正直な感想から言いましょう。
ぇ、これなんてアートムービー?
───どうせ難解なのはわかりきってる。
───どうせグロいのはわかりきってる。
──────ならもう、そういう風に演出してしまえばいいじゃないか。
そんな心の声が聞こえてきそうな、実に開き直りやがった演出でしたwww
時系列はバラバラ。
心理・場面描写は難解。
生理的嫌悪を引き起こすようなデザイン。
そのどれを取っても、もうなんつーか「凄まじい」の一言でした。
特に時系列の組み替えは(いい/悪い、両方の意味で)明らかにやり過ぎで、
記憶のピースがストーリーの進行にあわせてハマっていくような仕組み。
とてもじゃないが、エンターテイメント作品でやっていい代物ではない。
いったい何人の観客が、この映画の流れと本質を理解できたであろう?
明確に流れを追っているところなんて、クライマックスだけじゃないか。
でも、クソカッコいいので、俺は大好きですwwwww
もし、観客にそんな矛盾したループ思考を持たせる、という意味合いも含め、
こんな演出にしたんだとすれば、これはとんでもない確信犯的アートムービーだ。
出過ぎてしまった「空の境界」らしさ。
ただ若干残念に感じたところも。
原作のイメージにより近づいたのですが、近づきすぎて悪い部分も出てしまいました。
俺が見たことのある第一章〜第三章は大衆向け作品を目指していたのか、
原作のエンターテイメント性を強調するモノでした。
「空の境界」の重要なファクターである“狂気”も、
うまく見せてはいましたが、大衆にわかりやすいように描かれていました。
ですが、おそらく原作読者が大半だというデータを活かしたんでしょうね。
「矛盾螺旋」では限りなく奈須ワールドを再現しようと試みていました。
が、そこが大きな落とし穴。
奈須きのこの作品といえば、面白いストーリーと魅力的なキャラクター、
そして大きな欠点である、あの冗長さ。まぁとにかく、くどい。
特に今回ひどかったのはBGM。
シリーズ通してセンスのいいBGMを使っていますが、残念ながら使い方がくどすぎる。
ムリヤリこちらの感情を弄くるような真似は、絶対にしてはならない。
さらにいえばキャラクターの動きや、心理描写的なセリフもちょっとナンセンス。
読者に“リアル”を疑似体感させることが最大の強みである「空の境界」が、
原作に忠実にしようとするあまり、“リアル”を疎かにするのは間違っていると思う。
第六章「忘却録音」は作中で最も繊細なお話。
あの雰囲気を表現するのは非常に難しいとは思うけど、
それを安易な方法で解決して欲しくはないものだ。
「空の境界」という映画に対する持論
えー、リアル含め何度も言っていることですが。
「空の境界」の1ファンであるKairiとしては、この作品はぜひ実写でやって欲しかった。
原作から容易にイメージできる色彩、暗さ、モヤモヤとした感じ。
そういうのってさ、日本のホラー映画の得意分野ですよね。
それを応用して実写で撮りたいわー。
てか原作読んでると「撮って」っていわれてるみたいで…www
以前、俺は第三章のレビューエントリーでこう書きましたが、
今でも原作のあの雰囲気を撮りたい、と思っています。
まぁ予算や配役の問題はありますが、どう考えたって実写向きの作品です。
日常と非日常の間で揺れ続ける両儀式。
日常を守ろうとして、結果的に非日常に遭遇してしまう黒桐幹也。
非日常側の人間として、日常を大切に生きたいと感じた蒼崎橙子。
幸せな日常を得るために、非日常の力を得ようとする黒桐鮮花。
彼らが抱える悩みは、程度や方向性の違いこそあれ、
現実に生きる私たちが必ず持ってしまうものだ。
つまり、それだけ“リアル”だ、ということ。
その感覚は、絶対に生身の人間でなければ再現できない。俺はそう思う。
………参考に。
以前、友人と飲みながら冗談半分で決めた実写版妄想キャストを貼付けますwww
酔っぱらいながら、この人ガチで合うだろ、的なこと話してたので、
かなり個人的な性癖が反映されておりますが、
まぁ冗談半分で楽しく見てやってくださいwww (敬称略)
両儀式:多部未華子
黒桐幹也:妻夫木聡
蒼崎橙子:(未決定)
荒耶宗蓮:中田譲治
アルバ:城田優
黒霧皐月:オダギリジョー
浅上藤乃:蒼井優
黒桐鮮花:宮崎あおい
巫上霧絵:仲間由紀恵
秋巳大輔:寺脇康文
臙条巴:柳楽優弥
黄路美沙夜:(未決定)
白澄里緒:窪塚洋介
………………ゃ、まぁアレだ。酒って恐ろしいな。
どんだけ豪華なキャストだとゆーwwwwwwww
でも、式:田部未華子と藤乃:蒼井優はガチだと思う(`・ω・´)