どうもこんにちは。kamikamiです。
4/4(日)にiCityのプロジェクト発起人である
近藤哲朗さん(@tetsu_)にインタビューを敢行し、Ustにて中継致しました。
当日は、哲さんの親御さんをはじめ、継続的に10人以上の方にいただけたようです。
ご視聴いただき、誠にありがとうございました!
そちらについてのリポートをば。
[iCity Project] 2010.04.04 近藤哲朗インタビュー
改めてiCityを紐解く
インタビューは、「そもそもiCityって何?」って所からスタートしました。
iCityがどのような活動なのか、iCityがどんな活動をしてきたのか。
については、今までの記事を見ていただけると、少し参考になるかもしれません。
今回のインタビューの中では、発起人である哲さんにiCityの着想について、伺っていきました。
50年後の未来にAppleが都市をプロデュースしたらどうなるか?それを然るべき場所へ提案する事はできないか?という考えから始まった、研究プロジェクト
Appleが都市をプロデュースするというコンセプト…
- 企業が都市をプロデュースするという事自体が新しいと思っている。
本来は利益を追求する組織体である企業が、CSR等の概念の登場によって社会貢献をするようになった。その延長線上になるのかもしれない。- Appleを選んだのは、単純に自分が好きだからという所が大きい(笑)
- ただ、Appleに対して思うのは、「行き着く先に人間がある」という事。
既存の技術を取り込んで、オーガナイズさせるのが上手な企業。機械自体が重要なのではなくて、それを使って人間はどんな事ができるようになるのか、という事を大切にしている企業なのではないだろうか。
今は、5つのチームに別れて未来予測をし始めた段階で、
動き出したそれぞれのチームからの報告を聞いて、iCityが面白い方向に進んでいるなと感じている様子。
また、色々な領域の人に集まってもらって、プロジェクトとして活動しているのは、
自分の考えだけではたどり着けないレベルの、更に進んだ所まで進む事ができると考えるからとも語っていました。
なので、敢えて未来予測としての具体的なゴールは設定せずに、
それぞれの想像する「ワクワクする未来」を 考えていって欲しいと考えているという事です。
改めて「超共有」を紐解く
そして、iCityにおいてのキーワードである『所有せずに共有する』という概念「超共有」についても聞いてみました。
「所有せずに共有する」というコンセプト…
- 自分は、共有に対してポジティブな訳ではなくて、所有に対して非常にネガティブな考えを持っているからなのだと思う。
- 物を持っているという事は、常に「持っている物を失う」というリスクを孕んでいる事に気付いた。自分はよく財布や携帯電話を家に忘れたりするので、そういう部分を解消する事はできないかを考えた。
- iCityを語る上でもう一つ重要な、「個人認証技術の向上」がここで利いてくる。どこにいても特定の人間を認証できる事によって、クラウドベースで自分のありとあらゆる情報を引き出す事ができるので、お財布などを持つ必要がなくなるだろう。
- 共有については、カーシェアリングや家具付きウィークリーマンション等で、既に始まっている。これが進んでいく事で、あらゆる消費財が共有されていくだろう。
改めて内容を考えてみると、既に始まっている事が多かったので、技術的な問題ではなく、
使う人間が如何にこの概念に馴染むかによって、「超共有」がどのくらい早く実現されるかが決まってくる…
といった所でしょうか。
都市に思う事
前回の記事でもお知らせしましたが、
「未来の都市への夢。今の都市への疑問。」といった部分についても少し聞いてみました。
今の都市に対して思う事…
- 自分は、建物をはじめとした今の都市のハードウェアに問題を感じている訳ではない。
- ハードウェアに問題があるのではなくて、ハードウェアを作る目的としてのソフト面や、うまくソフトを汲み取れないインフラ面に問題があるのではないだろうか。
- 自分が作りたい街は、ハードウェアありきの街ではなくて、ソフトウェアとしての概念や人々の住みやすさを中心として、それに合わせたハードウェアが形成されるような街が作りたい。
どうしても「まちづくり」と聞くと、建物を建てて…と考えてしまうけど、そうではないらしい。
そうではなくて、
例えば「財布を持ちたくないなぁ。どこでも自分を認識してくれて自動的に引き落としてくれたら楽だな」
という考え方がありきで、それに合わせてハードウェアを設計していく、
フローで都市を形成するべきという考え方なのだろう。
そしてそう考えるのは、 未来予測を積み重ねて、いざプレゼンテーションとなった時に
「あれ?僕たちの住みたい未来ってこんなのだったっけ?」ってなったら意味ないよね。って事です。
また、こんな事も聞く事ができました。
ガチガチのアカデミックな活動からは一線を画した、
本当に自分たちに必要な未来を考えなければいけないと思っている。50年後は、自分たちの時間を積み上げた先にある。
非現実的な話でもないので、ただ50年後を待つだけではなく自分たちで戦略的に、
「50年後はこういう未来になるべきだ」というヴィジョンを提示すべきではないかと思っている。
この記事をご覧になっているみなさんも
「今の都市はこんな所を変えるべきだ」「自分はワクワクするのはこういう都市だ」
という事を考えてみても面白いかもしれません。
今後もMTGの中継やインタビューは続けて参りますので、
是非今後ともよろしくお願いします。
それでは。
kamikami
関連書籍
「iCity」を考える上で、哲さんが参考にしたという書籍をご紹介します。
半年前の自分のインタビュー見直してる。 /icity100404/