
先月29日、千葉大学院で都市環境システムを学ぶ近藤哲朗(@tetsu_)の不定期連続企画「昼食会」───まぁつまりはランチに行ってきました。
「2年で100人の友達とランチしよう!」という思いつきで始まったらしいこの企画。私はその26人目として招待されました。
「昼食会 #026 川崎海里」より引用。
昼食会26回目。川崎海里(かわさきかいり)とランチしてきました。 #昼食会_
ちなみにこの日もご多分にもれず寝坊して大遅刻をしたのですが、「まぁ、やっちゃいますよね」と笑顔で許してくれたテツさんのイケメンっぷりに全俺が泣いたw そして申し訳ない!
お食事処
肝心の昼食は、東京メトロ表参道駅からとほ10分ほどの「BISTRO ARPA」で食べました。
フレンチですが¥1,000以内でガッツリ食べられる、名前の通りの〝ビストロ〟でした。
起きて何も食べずに行ったせいで、食べることに集中してしまい、写真を取ることをすっかり忘れてしまいました。
どんな料理が出るのかは、公式サイトやテツさんのエントリーをご参照ください^^
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昼食会での話題
さて、話したことといえば、非常に多岐にわたりました。
……というかそもそも、建築や都市全体のデザインを研究するテツさんと、メディアうんたら言ってる私ではジャンルがあまりにも違いすぎるワケで、そりゃ話題もあっちゃこっちゃ行くだろって話でw
ただ、意外と考えは似通っている部分もあって。
テツさんは設計を通じて建築物と都市に、私は番組づくりを通して映像や音声に、それぞれ意味を与え、何かを伝えたい───。
そこが共通しているから、お互い話が通じるんだと思います。……なんというメタトークw
さて、主な話題はテツさんがブログでまとめてくれた通りなんですが、せっかくなので何点か補足をば。
・日本橋上の高速道路
日本橋ってせっかく立派なのに、上に高速道路が架かってて、景観としてもったいなくないか?という話。
テツさんの話によれば、どうやら小泉・竹中構造改革路線のときに高架の撤去が検討されたらしいのですが………まぁ道路族に圧力をかけられたんでしょうかね? いつの間にか立ち消えになっていたそうです。
比較対象として、韓国の現大統領・李明博がソウル市長だったときに行った、清渓川高架道路の撤去の話をしました。
意外にもテツさんはご存知なかったようですが、都市景観や環境の回復のため、老朽化の進んだ高架を撤去した有名な事例です。日本橋ともよく比較されると思います。
ただ、日本橋の上に走ってるのは首都高ですから、この東京では経済的な観点から難しいんじゃないだろうか───というのは共通した認識でした。
そういった話から、
・日本の景観、看板、広告
・下北沢駅前再開発
みたいな、日本の無計画(あるいはナンセンス)な都市開発ってどうなのさ、って話につながりました。

テツさんに言わせれば、日本の都市計画は商業ベースで立てられており、それが看板や広告の無秩序な配置に繋がって、都市の景観が著しく損なわれているんだとか。
確かに言われてみると、日本の都市は看板や広告が無秩序に、まさに〝氾濫〟しています。例えば、この写真のように。
もちろん下北沢のように、商業的な発展によって生まれた無秩序さが、むしろアイデンティティーとなっている街もあるわけですが、逆に今度はそれが、別の街をモデルにした再開発計画によって脅かされている。
つまり日本で言う「都市計画」とは、パッチワーク的に無秩序な増設を繰り返してきた街を、商業的に成功している別の街で塗り潰すことを指しているんじゃないか、と。
これは本当に同意せざるを得ない。もちろん私は海外の事例を知りませんが、日本で生きてきた感覚から言って、多分間違いがない。
外から〝いい感じのハコ〟を持ってきて、〝中身〟たる暮らしまで模倣しようとしても、実際に暮らす人々にそれが根づいていないと意味が無い。それは街も、メディア・インフラも同じ。
そういう意味で、
・プレイスメイキングとオブジェクトメイキング
・発信すること
と繋がったのはごく自然な流れでした。
プレイスメイキングとは、建物をどんな「場所」にするかを考えて設計することを。
オブジェクトメイキングとは、どんなモノを作るかを念頭において設計することを、それぞれ言うらしい。
多くの日本の建築はオブジェクトメイキングに終始し、「その場所で人がどう生活するのか」というプレイスメイキング的な視点に欠けている、というのがテツさんの考え。
私風に言い換えれば、プレイスメイキングとは建物に対する〝意味付け〟──すなわちメディア化です。
建築物は、街を構成し、人が暮らす以上、そこに多くの〝意味〟を内包しているはずです。建築物というカタチの中に、多くの情報が詰まっているのだから、それは元よりメディアと言い換えることができます。
本来なら実際に建築され、人が生活する中でつけられていく〝意味〟を、あらかじめ予想し、それに沿った設計をしようというのがプレイスメイキング。
つまりプレイスメイキングの考えに基づく建築物の設計というのは、街とそこに暮らす人々への発信活動なのではないか、と。
───そう、ここに建築とメディアはまさかの融合を果たしたわけです!
「だから建築家も、人に何をどう伝えるかというのを真剣に考えなくちゃならない」みたいな話になったときは、正直ニヤニヤが止まりませんでした!
もちろんそれは誰しもに言えることなのだけど、それを自身の表現物においてやることが重要だ、という共通認識ができていたのだと思います。仲間を見つけられるって本当に嬉しいものですねw
………まぁ直後、お互い「こういうこと話せる人がいないね」という苦笑をこぼさざるをえなかったわけですがwww
この他にも、私の領域であるメディアの話や、最近話題の記者会見開放問題、それから互いの就活というか「どうやって生きてこうか」トークなどしました。
お互いジャンルは違うのに、基礎の考えが似通ってたり、同じように斜陽業界へ進む身の上など、本当に刺激と共感に溢れた時間でしたw
テツさん、お招きいただき、本当にありがとうございました!
「昼食会」からの発展
さて、ランチを終え、表参道駅に向かいながらテツさんに1つ提案をしました。
それは、
「Media Evolution.」として、街を歩きながら〝街の意味〟を読み解きませんか?
というもの。
「ここまできたら、実際にやってみたい」という、私の相変わらずの短絡思考から出た発言ですが、なんと快諾いただきましたので、ぜひいつかやりたいと思います。
テツさんの「昼食会」は表参道を中心に行われているそうで、街の特性もかなり掴みはじめたということなので、おそらく昼間に表参道を歩きながら…というスタイルになりそうです。………えぇ、MacBookを抱えながらw
ただのアイディアだったので今後どうなるかはわかりませんが、もし本当に実現することになりましたら、いつも通り告知いたしますので、その際はぜひご期待下さい!